第3章 動き出す時計の針…
「俺は本を使って、妻の心を救う。娘を蘇らせる…」
『ッ!』
「ある逸話を耳にした。なんでも死者を蘇らせることができる異能力者がいると…」
フランシスの瞳が鋭く私を射抜く…
『ッ…それが私とでも?』
「ああ、その通りだ。だが確信はない。そこでだ君にある提案をしたい…」
彼の提案に私は迷った…
これが皆んなを守れる唯一の方法だから…
フランシスの提案は悪魔の契約だった…
"俺の仲間になれ…ヨコハマを焼け野原にしない代わりに、君の異能力で娘を生き返らせてほしい"
本来であらばフランシスの提案を呑むだろう。
だけど、私の心を引き留めるのは…
"いいな?…その異能力は絶対に使うな…"
彼…織田作との約束だ。
『少し…考えさせて…』
すぐに答えなんて出せなかった。