第1章 再会
「白雪さん、おはよう御座います!」
『おはよう、敦くん。今日は早いね』
私の言葉に敦くんは少し困った顔をする。
その表情を見てすぐに"あの人"が原因だと理解する。
"あの人"とは…
「おっはよー!白雪、今日も美しいね!」
『おはようございます。"太宰さん"』
「なんだね?今日は朝からご機嫌斜めではないか、どうかしたのかい?」
貼り付けたような笑顔で私の顔を覗き込む彼は元ポートマフィアの幹部とはきっと誰も思わないだろう。
『ハァ…何度も云っていますが敦くんにばかり仕事を押し付けないでください!』
「仕事を押し付けるだなんて〜、そんなことしてないさ!ねっ?敦くーん?」
「いえ、押し付けられています」
「なっ…酷いよぉー、敦くん!!!」
あの頃の残忍さなんて微塵も感じない。
それはきっと"彼"がこの人を変えたんだと思う。
自分の命と引き換えに…