第3章 動き出す時計の針…
約束の時間よりも早く用意を終えてしまった。
家の中にいてもソワソワするだけだし、外で待っていようと思い外に出ると一段の黒の車が目に入った。
もしかして…?っと思いつつ車に近づく。
ふわっと香るのは煙草と香水の香り…
私の大好きな香りだ。
名前を呼べば、車の後ろからひょっこりと顔を出す中也…
「よぉ!!随分早かったな!」
『ふふ、それは中也もでしょ?』
「なっ!///ほら、乗れよ。お嬢様…」
さっと手を差し伸べられる…
その手に自身の手を重ね合わせると…
ちゅっ…
『ッ!///』
「フッ…可愛い反応すんじゃねぇか」
手の甲にキスを落とされたのだ。
ニヤリと笑う中也…
昨日からやられっぱなしで悔しくなった私は…
「ッてぇ!何しやがる!」
『私を揶揄う中也が悪いの!…ッ!///』
デコピンをお見舞いしてやったのだけど、
気付けば中也の腕の中に閉じ込められていた…