第3章 動き出す時計の針…
約束の時間よりも早く着いちまった。
昨日の白雪との電話の後、かなり舞いあがっちまったせいで夜は全く眠れずに朝を迎えていた。
自身を落ち着かせるために煙草を咥え外に出る。
早朝ということもあり、人気は無い。
約束した時間もかなり早めの朝の7時だ。
敵対組織である人間が一緒にいる所を見られる訳にもいかねぇからな。
それに一緒にいれる時間も長くなるだろ?
白雪の為なら寝る時間すら惜しまねぇ…
徹夜だって慣れちまったしな。
ふと携帯に目をやれば時刻は6時45分
あと15分…
たった15分ですら待ち遠しかった。
ガチャッ…と音が聞こえ、慌てて身を潜める。
すると…
『中也…?』
愛おしい彼奴の声がしたんだ…