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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第19章 棋院のクリスマスイベント


 芦原がリーダーとして仕切ったイベントの成功に、星歌の的確なサポートが大きく貢献した。イベントは無事に終わり、打ち上げが焼肉店で開催されている。未成年が多いためアルコールはなく、ジュースやウーロン茶が並び、焼肉の香ばしい匂いと賑やかな笑い声が店内を満たしている。
 星歌は打ち上げには不参加のつもりだったが、院生の女子、奈瀬明日美に誘われて参加を決めた。焼肉店のテーブルでは4人ずつに分かれて、星歌と明日美は並んで座っている。星歌の向かいには進藤ヒカル、その隣には和谷義高、ともに今年のプロ試験で合格を決めた中学生が座っていた。
「志水さん、大学生かと思ってた!高2って、めっちゃ年近いじゃん」  
「奈瀬さん高1なんだ。大人っぽいから年下だとは思わなかった」
 年が近いと分かった2人の話は弾み、すぐに意気投合する。
「タメ口でOKだし、名前で呼び合おう!」
 明日美が提案して2人は連絡先を交換した。
 一方、芦原は星歌と席が離れてしまったことを残念がっている。
「星歌ちゃんはオレが狙ってるからな、手出すなよ?」
「芦原さん、なんか志水さんと合わないよな」
 焼き網に肉を置きながら牽制するように言う芦原を、森下門下の冴木四段が笑う。
 同じテーブルの院生たちも、大きく頷く。
「志水さんは頭よくて大人っぽいから、芦原さんは好みじゃないかもね」
 院生の1人が、からかうように言う。
「それはオレも分かってるから言わないでくれよ〜」
 芦原は笑い返すが、どこか本気っぽい口調だ。
 星歌たちのテーブルでも会話が盛り上がっていて、話題はプロ試験のこと。ヒカルと和谷が中学生ながら合格を決めたことに星歌は感心している。中学生で合格することはトッププロなら珍しいことでもないと明日美から聞いた星歌は、緒方さんもそうなのかな…?と好奇心とともに緒方の顔が頭に浮かび、思わず頬が熱くなった。
 私、緒方さんのこと、あんまり知らないな…。2人で出かけても私のことばっかり話してて、緒方さんの話しは少ない気がする。今度、何か聞けるといいな…。芦原の想いとは裏腹に、星歌の心の中は緒方のことばかりであった。
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