• テキストサイズ

白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第35章 2人を見守る、あたたかな春


 星歌の春休みに合わせ、緒方は平日に花見デートを計画した。星歌の笑顔を桜の下で…と、胸が高鳴る。車で星歌を迎えに行くと、春らしいワンピースにひまわりモチーフのブレスレットをキラリと光らせている。緒方の車を見つけて目を輝かせ、嬉しそうに微笑む星歌を見て、本当に愛おしいな…と心があたたまる。
 桜並木に着くと予想以上に賑わっている。満開の桜が春の日差しに輝く。
「星歌は方向音痴だから、迷子にならないようにな」
 緒方はそう言って手を繋ぐ。「迷子」の言葉に、星歌は頬を膨らませる。
「迷子になんかならないもん!」
「じゃあ、手繋がなくても平気か?」
 少し意地悪っぽく言ってみるが、星歌が何を言っても繋ぐけどな…と考えている。
「…ううん…繋ぐ…」
 星歌が恥ずかしそうに答える様子に、その反応ズルいだろ…と、心臓がドキリとする。

「桜、きれい…」
 星歌がキラキラした目でつぶやく。淡いピンクの花びらが春風に舞い、星歌の笑顔に重なる。桜もいいけど、星歌が気になって仕方ないな…と、緒方は彼女の横顔を見つめている。
「精次さん、桜見てる?」
「ああ。でも、桜より星歌のほうがきれいだ」
「ええ?何言ってるの?恥ずかしいよ…」
 このかわいい反応、他の誰にも見せたくないなと、緒方の独占欲がくすぐられる。
 やがて、公園の広場にレジャーシートを広げてのランチタイム。
「星歌の手作り弁当、美味そうだな」
「精次さんに…食べてほしくて」  
 恥ずかしげに言う星歌を見て、オレのために…と、胸が熱くなる。 
「お花見って楽しいね」 
 星歌はおにぎりを片手に桜を見上げている。 
「じゃあ、来年も一緒に来よう」
「本当?約束だよ!」
 星歌が明るい笑顔で小指を差し出す。
「指切りげんまん」
「ああ、約束な」
 2人は小指を絡め合わせて微笑む。今も未来も、星歌がオレの隣にいるなら最高だと、胸に穏やかな気持ちが広がっていく。オレは星歌の笑顔を守る。タイトルだって獲る。星歌の応援があれば、なんだってやれる…と、桜の香りに闘志と愛しさが混じる。2人の未来を祝福するような桜吹雪が青い空に映える、春の特別な1日だった。
/ 143ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp