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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第19章 棋院のクリスマスイベント


 打ち上げで意気投合した星歌と明日美は、日を改めてカラオケボックスへと足を運んでいる。星歌はこぢんまりとした室内を見渡す。
「カラオケ、実は初めてなの」
 星歌が少し照れながら言うと、明日美が驚く。
「え、初めて?天然記念物みたい…」
「ニューヨークはカラオケってあんまりなくて…」 
 星歌が説明すると、明日美も納得したようだ。
「そっか、なるほどね!じゃあ、今日は楽しもう!私が日本の曲、ガンガン歌うよ!」
 明日美はJ-POPやアニソンをノリノリで歌い、星歌は笑顔で拍手をする。数曲を歌い終えた明日美が、満足そうな表情でソファに座る。
「星歌は歌わないの?洋楽でもいいよ?」
「歌ってあんまり得意じゃなくて…。聞いてるだけで楽しいよ」
 星歌がそう言うと、明日美はジュースを一口飲んでからニヤリとする。
「よし、ガールズトークしよ!ここなら誰にも聞かれないから安心だよ!」
「うん、いいね!」
 星歌も乗り気だ。
「ねえ、星歌。芦原さんが星歌のこと狙ってるって聞いたけど、星歌は芦原さんのことどう思ってるの?」
「うーん、楽しい人だとは思うけど、それだけかな」 
「そっか、芦原さん、ちょっとかわいそうだけど、確かに星歌とは雰囲気違うよね」
 2人は顔を見合わせてクスクス笑う。
「じゃあ、誰か好きな人いる?」
 明日美がジュースを飲んでから切りだす。星歌の頭に、ふと緒方の顔が浮かび、頬がほのかに熱くなる。好きな人って、緒方さん…?ううん、緒方さんはそんなんじゃないよね…心の中ですぐに否定するが、迷いが表情に一瞬現れる。明日美はそれを見逃さずに言う。
「あ!いるんだ! 誰? 同級生?もしかして付き合ってる?教えて教えて!」
「そんなんじゃないよ、いないよ」
 星歌は慌てて手を振るが、明日美は疑いの眼差しを向ける。
「そういう明日美はどうなの?」
「私?私は、今は恋愛はいいや。院生やってると普通の男の子と付き合うの難しいし。だから星歌の恋バナ聞きたい!」
「えー!なんかズルい!」
 カラオケボックスの小さな空間に、2人の明るい声が響いていた。
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