• テキストサイズ

白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第14章 次回の約束


 緒方の自宅。テーブルの上には、星歌からもらったインスタントコーヒーのスティックとクッキーの袋が置かれたまま。
 緒方は印象派展の公式サイトをチェックしている。ゴッホ、モネ、ルノワール、さまざまな画家の名作が展示されているようだ。白川が言ったとおり、これは志水くんが好きそうだな…と、思わず微笑む。
 メッセージアプリを開き、星歌の名を探す。どう誘えばいいか少し考えてから、文字を打つ。
「今度の日曜あいてるかな? キミに見せたいものがある」 
 入力した文章を見返してから送信ボタンを押す。わずかな緊張はあるが、期待の方が上回っている。すぐに既読になり、星歌からの返信が届く。
「あいてます! 何ですか?」 
 返信が早いな…と、緒方の胸が高鳴る。オレがこうして誘うのを楽しみにしていたように、あの子もオレのメッセージを待っていてくれたんじゃないだろうか…。そんな考えすら浮かんでくる。
「上野の印象派展、一緒にどうだ?」
「嬉しいです、ありがとうございます!」
 今、オレとあの子は互いのメッセージを心待ちにしている、そう思うと鼓動が一気に速まる。
「また日曜13時に迎えにいく」
「はい、わかりました」
 星歌の最後の返信には、女の子らしいかわいいキャラクターのスタンプがセット。そのスタンプを見ると、自分と星歌の距離が縮まったように思える。
 日曜が待ち遠しいな…と、緒方はスマホを置き、ソファに横たわる。

 同じ頃、パジャマ姿の星歌は自室のベッドに座り、スマホを握りしめている。また緒方さんと出かけられる!印象派展!目は輝き、胸はドキドキする。緒方さん、優しくてカッコよくて…と、緒方のクールな笑顔と真っ赤なスポーツカーが頭に浮かぶ。今度は緒方さんから誘ってもらって、本当にデートみたい。でも、緒方さんはきっと、そんなつもりじゃないよね…。そう自分に言い聞かせるが、2人で出かけられるのは嬉しい…と、頬が熱くなる。スマホを胸に抱き、楽しみ!と、幸せな気持ちでベッドに横になる。
 秋の夜長に、2人の心はあたたかな感情で満たされていた。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp