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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第5章 芦原の登場


 緒方、芦原、アキラはそれぞれ対局を終え、揃ってカフェへと向かう。にこやかな芦原とは対照的に、アキラは困惑した表情を見せる。
「どうしてボクが…?」
「弟弟子がいる方がカッコいいだろ? 」
 アキラの質問に芦原はニヤリと返した。緒方の胸中はざわついている。なんでオレがこんな気分になるんだ …。彼女を芦原に会わせたくないな…と、緒方はうっすらと考えていた。
 カフェに入ると星歌の姿が目に入り、緒方の心に軽い動揺が走る。
 カウンターの端から緒方、アキラ、芦原の順に並んで座った。
「ご注文はいかがなさいますか?」 
「おすすめは何?」
 星歌の言葉に芦原はそう返した。
「まだ暑いのでアイスコーヒーが人気です。あとはオリジナルブレンドも定番です」
 突然の質問にも星歌はスムーズに対応した。
「じゃあアイスコーヒー」
 芦原は笑顔で言った。
「今日はオリジナルブレンドを頼む」
 なんとなく芦原と同じものを頼みたくなくて、緒方はオリジナルブレンドを選んだ。
「ボクはカフェオレをお願いします」
「かしこまりました」
 アキラの注文も聞き、星歌は慣れた手つきで準備を始めた。
 3人の注文の提供が終わり、星歌が「ごゆっくりどうぞ」と言うと、芦原が話しだした。
「星歌ちゃん、噂通りいい感じだね!」
「…噂って何ですか?」
「年配の先生方が、星歌ちゃんがかわいいって言ってたよ」
「…そうですか…」
「星歌ちゃんのこと知ってたら、もっと早くここに来たのに。緒方さんはそういう話しないからさ」
芦原は笑いながら緒方をチラリと見る。
「お前はカフェに何しに来てるんだよ…」
 コイツ、若いのにジジイどもと同じかよ…と緒方は、芦原に対して呆れてしまう。そして同時に怒りのような感情も湧いてくる。
「オレは芦原弘幸。こっちは弟弟子の塔矢アキラ」
「初めまして」
 急に紹介されたアキラが慌てて挨拶をする。
「アキラ先生のお名前はうかがったことがあります、中学生なのにとてもお強いと」
「オレのことも覚えてよ。オレ、アキラに3回に2回は勝つんだよ!」
「芦原先生もお強いんですね」
 星歌は穏やかに答えているが、その表情にわずかな苛立ちが現れていることに緒方は気づいていた。
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