第5章 芦原の登場
「星歌ちゃん17歳でしょ?オレ21歳だから、ちょうどいいと思わない?」
「…ちょうどいいって何がですか…?」
「そんなの決まってるじゃん、彼氏と彼女…みたいなさ。あ、星歌ちゃん、彼氏いないよね?」
「いませんけれど…年齢だけで勝手に決められても…」
「年齢だけじゃないよ、星歌ちゃんいい子だし、オレ、気に入っちゃったから!」
芦原の軽い口調に対して、星歌の表情には明らかに戸惑いの色が見える。
「星歌ちゃんの好きなタイプとか教えてよ?どんな人が好き?オレみたいなのはどう?」
「芦原先生とは今日初めてお話ししたばかりなので…」
「そっか、そうだよね!じゃあ、例えば芸能人だと誰が好き?」
「…芸能人とかはあまり興味がなくて…」
「そうなの?ドラマとか見ないの?今やってるドラマに仮面ライダーだったイケメンが出てるけど、ああいうのはどう?」
「ドラマも仮面ライダー?も見ていないので、わかりません、すみません…」
「ううん、オレも仮面ライダーだったってことだけで名前も分かんないしね。じゃあ趣味とか、最近ハマってるものとかは?よく聞く音楽とかは?あ、そうそう、食の好みも重要だよね。好きな食べ物は?」
「芦原、志水くんが困ってるだろ、いい加減にしろ」
星歌が答える前に緒方が芦原をたしなめた。
「あ…すみません、星歌ちゃんがかわいいから舞いあがっちゃいました!」
芦原は謝罪の言葉を口にはするが、悪びれた様子はあまり見られない。
緒方が星歌をさりげなく見ると、安心したような顔の星歌と目が合い、心臓がドキリと高鳴った。
「弟弟子がすまない。悪い奴じゃないんだが少しお調子者で」
「いえ、大丈夫です」
平静を装う緒方に星歌が穏やかに答える。
「以後気をつけまーす」
軽妙に言う芦原の隣でアキラは、緒方と星歌の間に漂うあたたかな雰囲気を感じ取っていた。