第14章 新たな脅威
繭結が使っていた家電を一通り確認すると、洗濯機は処分していいのぉ、と呟く雅治。
「意地でも部屋を見つけます」
「かわいくないおなごじゃ」
「『依存させたい』宣言された手前、怖いって!」
「まーくんに染まりんしゃい」
「怖いんだって、」
冷蔵庫と常備食を確認した繭結は、うどんでもいいですか?と冷凍麺を取り出した。
「めんつゆ...3倍か」
結構あるな、とボトルを冷蔵庫から出す。
「あ、鶏肉あった。
卵、もある...ぎゃっ!賞味期限今日まで!?」
6つもある!と焦る。
「鶏卵の賞味期限は『安全に生食できる期限』じゃから、しっかり火を通せば1〜2週間先まで食えるぜよ」
「えっそうなのっ!?」
めっちゃがんばってゆで卵にして食べてた!と驚く繭結。
「おんし、本当に自炊しとったがか?」
「してましたー!」
「卵、鶏肉、めんつゆ...白ねぎないかが?」
「ネギ...はないです」
「コメ」
「っは!
あったかな?」
あってくれー!と食器棚の下段を覗く繭結を見下ろす雅治。
「ラッキー!
3合くらいはありそうです!」
ほら!開けられた米びつの隣にある茶色の米袋には『気仙沼産』。
「おんし、コメ...」
「実は父方はコメ農家でして。
気仙沼のおコメですよ」
「よお、八丈島と気仙沼が出会ったのぉ」
「なんだっけ?
確か、友達の紹介とか聞いたような...」
「父方の実家から来る言うわけか」
「はいっ
おじいちゃんとおばあちゃんが実家に送ってくれて、それを小分けした分を母が送ってくれます」
気仙沼のコメ、と漏らした雅治。
「親子丼にするにはもったいない気がしてきたのぉ」
「親子丼、食べたかったんですか?
あっ!白米で食べたいなら、『とりすき』にします?
焼き豆腐ないけど、厚揚げあるし。
卵は半分をゆで卵にして、一緒に煮るかトッピング」
しらたきも無いけど、と言った隣の雅治が、とりすき...気仙沼のコメ...と漏らす。
「うどんは冷凍だし個包装だから持つでしょう。
おコメととりすきでいいですか?」
「腹の虫が暴れ出す前にお願いしたいぜよ」
「よほどお腹空いてますね」
作りますかねー、と、使えそうな食材選びにとりかかった。
✜