第3章 嫉妬そして、誘拐
そして私達は最上階にある部屋に連れてこられた。そこはとても広くて綺麗な部屋だった。だが、窓には鉄格子がついており開けることが出来なかったし、ドアも頑丈そうな作りになっていたので逃げることは出来なさそうだった。早くここから逃げたかった。だが、私の気持ちとは裏腹に彼は笑顔で言った。「今日からここで暮らすんだよ♡」と言われて私は絶望した。(そんな……)と思っていると彼は私をベッドに降ろして隣に座った。そして優しく頭を撫でてきた。その優しい手つきに思わずドキッとしたが、すぐに我に返って言った。「俺さぁ~ 夢子ちゃんが好きなんだよねぇ~」と言われ私は戸惑ったが、すぐに冷静になった。(嘘に決まってる!)と思い彼の言葉を否定した。「嘘だね!」と言うと彼は悲しそうな顔をして「まぁ、半分は嘘だけど、もう半分は本当だよ」と言った。「え?」と私が聞き返すと彼は続けて言った。「俺ね、 夢子ちゃんがアイツと付き合ってのが許せないんだ」と彼は言った。