第6章 ブルーベリー・ナイツ(切島鋭児郎)
30分後。
「……っ、うーん……」
普段あまり飲まないお酒にまんまと飲まれて、私は酔い潰れていた。
ぼんやりする頭に、みんなの声が響いてくる。
「おい……どうするよ、コイツ。完璧潰れちゃってんよ」
「甘井ちゃんって、お家どこやったっけ?」
「この状態で1人で帰れるかしら?」
「チッ、しゃーねぇな。俺、車で来てっから何とかするわ」
と、誰かが言った所で私の記憶はぷっつりと切れた。
ふと、眩しくて目が覚めた。
「……あれ、朝……?」
というか、ここはどこだろう。
昨日私、めっちゃ飲んで……
知らない天井、ふかふかのベッド。
隣を見れば、爆豪くんがすやすや寝てる……しかも、裸で。
……は?
爆豪だとぉ!?
は、裸だぁ!?
私は思いっきり混乱した。
待て待て待てぃ!
まさか、私昨日コイツと……!
混乱した頭を抱えて、恐る恐る布団を捲る。
すると、爆豪くんは下はしっかりズボンを履いていた。
「よ、よかった……はぁ……」
私は安堵した。
だよね、身体……シた感覚、無いし……私もしっかり、服着てるし……
取り敢えず、ちょっとここからおいとましよう。
後で、ありがと♡ってメッセージでも送っときゃ何とかなんだろ。
気付かれないように……
そっとベッドから降りようとした、その時だった。
「……ん……」
爆豪くんが、うっすら目を覚ました。
うっそ!起きちゃった!
「お、おはよう、ございます……?」
「っせぇな……何で朝からテメェの顔、見なきゃなんねぇんだよ」
寝起きでちょっと掠れた声がセクシー……じゃねぇや!
えっと……
「ここ、どこ……?」
「あ?俺ん家」
「そ、それは大変ご迷惑を……おかけして……」
と、言った所で、ある事に気付く。
「ベッド、でっかいね……」
「2人で寝んなら、これ位普通だろ」
「そっかぁ、2人……え、ふ、2人!?」
2人って、2人ってさ……
まさか……
「……爆豪くん、それって……」
私が聞くと、爆豪くんはチッと舌打ちをした。
「……彼女と、住んでんだよ。悪ィか」
ああ……どうりでなんか、小綺麗だし……女の子の匂いすんだ……
あ、いや、そうじゃない!