• テキストサイズ

The usual one【ヒロアカ中心】

第5章 百合の子(緑谷出久)


 ある日の、深夜。

 私は暑くて眠れなかった。
 
 部屋、クーラーつけてるけど、何でだろ……暑い……

 そう思った私は、1階の共同スペースに行こうと思ってベッドから起き上がった。

 共同スペースに行くと、深夜だから当たり前だけど誰も居なくて、ちょっとだけ涼しかった。
 ふと、自分の姿を見下ろすとキャミソール一枚に、ショートパンツ。

 ……でも、誰も居ないし、いっか!
 汗かいたし、お風呂入り直しちゃおっかな。
 1人であんなおっきなお風呂、入れるとかちょっと贅沢!

 そう思ってウキウキしながらお風呂に入った。


 そして、お風呂から出ると、男湯の方の出入り口から意外な人物が出てきた。

 「あれ、緑谷くん」
 「あっ、甘井さん、こんな時間にどうしたの?」

 ……そんな事を言うなら……

 「緑谷くんの方こそ、夜更かし?」
 「うっ、ううん!オ……あ、えと、暑くて!眠れなくて!」

 今、オールマイトって言いそうになった?
 ……ま、いっか。

 「今日、暑いもんねぇ」

 私がそう言うと、緑谷くんは「うん……」と言いながら視線をふらふらさせて、明らかに態度がおかしい。

 「?どうしたの、緑谷くん」
 「う、ううん!な、何でも、ないよ……?」

 緑谷くんのソワソワの原因が、自分の格好だという事にやっと気が付いた。遅すぎる。

 「あ、ごめん!誰も居ないと思って変な格好、してきちゃった」
 「いやっ、ううん!僕の方こそごめん!何か……その……っ……」
 と言って、腕で顔を隠す緑谷くん。

 クラスメイトの薄着見ただけでそんなテンパる?
 ……変なの。

 あ、それより私、緑谷くんに聞きたいっていうか言いたい事、あったんだっけ。

 勿論、お茶子ちゃん絡みだけど。

 「……緑谷くんってさ」
 「えっ、え?何?」

 「お茶子ちゃんの事、好きでしょ」

 「……え……?」

 緑谷くんが、吃驚した顔をした。

 「あ、その顔ぉ!やっぱり、好きなんだぁ!」
 「あ!いや、違うよ?」
 
 やっぱ、両想いか。

 いいな、男の子は。
 女の子に、好きになって貰えるから。

 「でもさぁ、緑谷くんにだけぶっちゃけると私も、お茶子ちゃんの事好きなんだぁ……だから、ズルいなぁって思っちゃって」

 ちょっとした嫉妬から、かなりぶっちゃけた話をしていた。
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp