第15章 本当はね(ホークス)
その少し後、お医者さんから消灯の時間までに必ず帰ってくるという条件で外出のお許しが出た。
「……ここ、かなぁ……?」
病院を出た私は、鷹見から届いたマップと辿り着いた建物を交互に見た。
くっそ……なんで私が鷹見の思惑通りに動かなきゃなんないのよ……
いや、無視しようと思えば出来たワケだし……それをしなかったのは……
……あんなの、気になっちゃったのは事実だし……
「あれ、繭莉さん?」
上から声が降ってきて、見上げるとベランダの縁に頬杖をついた鷹見がこちらを見下ろしていた。
「鷹見、あんたねぇ……あれじゃ意味分かんないから!」
「……迎えに行きます」
それだけ言った鷹見が、部屋の中に入って行った。
鷹見が来るまでの間、私は考えた。
これってさぁ……どういう状況?
そもそもここ、どこ?
っていうか、鷹見についてったら私……
どう、なっちゃうの?
「繭莉さん」
考えていた所に下に降りてきていた鷹見に声をかけられて私ははっと我に返った。
「……鷹見……」
「繭莉さん、結局優しいから来てくれると思ってました」
「なによ、バカにしてる?」
「はは、してませんって」
ヘラヘラ笑う鷹見に詰め寄ると、酒の匂いなんか微塵もしなかった。
「……ちょっと……」
「ん?」
「もしかして、酔ったフリして電話した?お前なぁ……!」
だ、騙された!
コイツ……マジで……!
「フリも何もしてないですよ、また繭莉さんが勘違いしただけでしょ」
「……う……」
何も言えなくなってしまって言葉に詰まると、鷹見は私に背を向けて歩き出した。
「ついてきて」
私は、悔しさを抱えたままその言葉に従って歩き出した。
「ここ……どこなの?結局」
部屋のドアを開けようとした鷹見に聞いてみる。
「どこって、俺んちですよ」
……え……
鷹見んち……
これで、家の中を覗いたらもしかしたら鷹見の謎が少しは解明されるかもしれない。
い、いや別に?
鷹見の事なんて興味……ない……し……?
「中、入って下さい」
そう促されて、私は部屋の中に足を踏み入れた。
鷹見の部屋は、なんともまぁ普通だった。
普通にベッドがあって、テーブルがあって……みたいな。
「なんか……普通だね……?」
「なに期待してたんですか?」