第15章 本当はね(ホークス)
「……ん……?」
そこには、1件の着信の通知。
誰だろう?
お母さんかな……昨日も、お父さんとケンカしたって言ってたし……
そう思ってスマホを開くと、着信の相手は意外な人物だった。
「……鷹、見……?」
アイツ……っ……!
いつの間に、私の番号を入手したんだ……
コソ泥かよ!
別にそんなヤツに折り返しかけなくても……
ても……
……
「はぁ……もぉ……」
意外と律儀な自分に溜息を吐きつつ、私は病室を出た。
病院の通話可能スペースにある椅子に腰掛けて、鷹見に電話をかけてみる。
呼び出し音が4、5回鳴った所でもう出ないかなと思ってスマホから耳を離そうとした時、「はい」と声が聞こえて私はまたスマホに耳を付けた。
『あ、繭莉さぁん』
私は、聞こえてきた鷹見の声に違和感を感じた。
なんだ?
やけに、陽気な声だな……
もしや、コイツ……
「鷹見……もしかしなくても、酔っぱらってる?こんな昼間っから……」
『ん?……んー……?どうっすかねぇ』
普段から何を考えてるのか分からないのに、電話の音声だけじゃ余計に何を考えてるのか分からない。
「どうっすかねぇじゃないよ……退院したばっかなのになに酒なんか飲んで……」
『……たい……』
「え?なに?よく聞こえない」
『繭莉さんに、会いたい』
そこで、通話はぷつりと切れた。
「……なんだ……?」
スマホに目を落としながら呟くと、今度は1件のメッセージが届いた。
それを開くと、マップだけが送付されていて私の頭は謎で埋め尽くされた。
なんだ、コレ。
相変わらずなに考えてんだか……
別に、私がこれに付き合う必要なんかないワケだし?
無視……
……
くっそ、もう……なんだっつうのよ……
私は、スタッフステーションに向かって歩き出した。
「外出許可、ですか?」
スタッフステーションで私から話を聞いた看護師さんが、目を丸くして私を見た。
「あの、急ですみません……ホントにすぐ、帰って来ますので……先生に、お話させて貰えないかと……」
「うーん……分かりました……どうなるか分からないですけど、甘井さんは経過もいいのでね……先生に、言ってみます」
「あ、ありがとうございます!」
私は、看護師さんに深々とお辞儀をした。