第15章 本当はね(ホークス)
入院5日目の昼。
「海野さん退院おめでとう!」
「寂しいよぉ、海野さぁん……!」
「大丈夫ですって、連絡先交換したじゃないですか!」
「絶っ対連絡するから!海野さん、元気でね……!」
今日は、海野さんが退院する日だ。
こうやってどんどんメンバーが変わっていくのね……
でも……なんか、寂しいかも……
「あ、そうだ甘井さん」
海野さんが私の方を見てニッと笑った。
「上村さんと進展あったら、連絡よろしく♡」
「……うっ……うん……」
上村さんか……
ちょーっと今、正直それどころじゃないぞ……?
ここ2日、実は私は寝不足だ。
それもこれも、全てはあの日の夜の鷹見の所為だ。
背中に感じた鷹見の熱が、なかなか引いてくれなくて……なんであんな事をしてきたんだろうと考えるけど全然答えなんか出ない。
そんな感じで夜、あんまり眠れていないのだ。
「気を付けて帰ってね~!」
「はぁい、ありがとうございました~!」
海野さんを病院のエントランスまで見送って、世間話をしつつ自分達の病室へ戻る途中にふと鷹見の個室に目がいってしまった。
な、なに気にしてんの!?
鷹見なんか、別に……
……ん……?
よく見ると、個室はドアが開いていて中には人がいる形跡はなかった。
「鷹見さんなら、昨日退院しましたよ?」
その声に振り向くといつの間にか後ろに上村さんがいた。
「え、退院……?そ、なんですか……」
「えっ、甘井さん、聞いてらっしゃらなかったんですか?鷹見さんから」
「……はぁ……」
なんだ。
鷹見、退院したんだ……
じゃあ、もう会う事もないな……って、最後がアレか……
また、あの日の夜の事を思い出してしまって顔が少し熱くなる。
「鷹見さんがいないと、寂しくなります?」
「……いや……」
よし。
忘れよう、あんなワケ分かんないヤツの事なんか。
もう、今夜からぐっすり寝たるわ!
そう思ったけれど、やっぱりその日の夜も私はなかなか寝付けなくて寝不足は継続するのだった。
入院7日目の、昼下がり。
「はー……スッキリしたぁ……!」
治療は経過も順調。
点滴を外して貰ってお風呂にも入れた。
毎日、身体を拭いてはいたけれどやっぱりお風呂は気持ちがいい。
自分の病室に戻ってなんとなくスマホを見てみた。