第15章 本当はね(ホークス)
そんなチョロめの思考回路になっていると、唇を解放されて少し名残惜しくなった。
「……取って食わないって、言った……」
「すんません……」
鷹見は、口元を右手で覆って耳を赤く染めていた。
「繭莉さんが可愛かったんで、つい」
……つ、つい……って……
ついでこんな事する!?
っつーか私が可愛いって……鷹見、目ぇ大丈夫か?
「あ……そぉ……」
「繭莉さん」
「え、あ、わぁっ」
突然視界が天井を向いたと思ったら、すぐに鷹見の顔が見えて彼に押し倒されたと認識するのに時間はかからなかった。
「やっぱ、ちょっとだけ取って食ってもいいスか?」
……は……
ちょっとって、どこまで?
っつーか、食ってって……あ、いや、それはさすがに……!
「ちょ、鷹見……」
私が拒否の意思表示をしようとしたその時、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
だ、誰か来た……
とりあえず、助かった……ん?
助かったって……なに……?
「……」
鷹見は、無言で戸惑う私から身体を離すとドアの方へ歩いて行った。
そして、ドアを開けるとそこには上村さんが立っていた。
「あ、鷹見さん!食事終わりました?食器回収に来ました!あと、お見舞いの方来てますよ」
「そうですか」
上村さんに食器を渡しながら鷹見が言うと、上村さんの後ろからひょいっと誰かが顔を出した。
「あ、すみません!じゃあ僕、失礼します……あれ?」
上村さんがやっと部屋の中にいた私の存在に気付いてビックリした表情をした。
「あ……」
「なにか?」
鷹見がそう言うと上村さんは「いえ」とだけ言って少しだけ気まずそうにその場から去って行った。
上村さんがいなくなった所には、1人の男の人が立っていた。
ん?
あの、左右違う色の髪の毛……あれって……
「焦凍くん、わざわざ来てくれたんスか」
ああ、そうそうショート!ヒーローのショートじゃん!
いや、イケメンだなぁ……
「来るの遅くなっちまってすまねぇ。親父と一緒に来るべきだった」
「別に大病じゃないし、お見舞いなんていいってエンデヴァーさんにも言ったんだけどね」
なにやらショートと仲良さげに会話する鷹見。
ますます、鷹見って何者……?
私の疑問は増すばかりだった。
「あの、お見舞いの邪魔しちゃ悪いんで私、これで……」