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たまのケージ【ヒロアカ】

第15章 本当はね(ホークス)


病室を抜けて、点滴スタンドと一緒に廊下を歩いているとふと食べ物のいい匂いが鼻孔をついた。

 ご、ご飯の匂い……!

 どこから……?

そう思って辺りを見回すと、個室のドアがちょっぴり空いているのが見えた。
 
 あそこの個室……

 鷹見かあぁぁ!

 ズルいよアイツ、なに1人で暢気に普通食食ってんだよ……!

先を越された悔しさにキリキリしていると、個室のドアが開いた。

「繭莉さん、何してんスかこんな所で」
ご飯の匂いにつられてしまったというのがバレるのが恥ずかしくて、私はそっぽを向いた。
「べ、別に!ちょっと院内探検してただけだし?」
「普通食の匂いにつられました?」
「っ!……ぅ……」
「どうせヒマなんでしょ?取って食ったりしないんで、入って下さいよ」
私は、確かにする事もなかったので鷹見の個室に足を踏み入れた。

「何もないですけど……そこ、座って下さい」
ちょっと広めの個室には、ベッドの向かいに小さめのソファがあった。
言われた通りにそこに腰掛けると、隣に鷹見が座った。
ベッドの周りには、何やら紙の山が積み上げられていて、それが鷹見の正体と何か関係しているのか……そう思った。
「あれ、仕事?」
その紙の山を指差して尋ねると、鷹見は「そ」と言った。
「俺がゆっくり休んでたら、仕事は溜まる一方っスからねぇ」

 おお……

 入院してるのに仕事とか……

 意外と鷹見って苦労人なのか……?

「鷹見って、一体何者……?」

つい、疑問に思っていた事が口に出てしまった。

私の疑問に鷹見は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの掴みどころのないへらへらした表情に変わった。

「繭莉さんは、知らなくていいですよ」
「それってどういう……っ!?」


私はまたしても、あっさり鷹見にキスされていた。


「……んんっ……!」
毎度の事ながら突然なので、ビックリして思わず鷹見の肩を押すけど今度はビクともしない。
すぐに唇を割って、鷹見の舌が口内に入ってくる。
「……は……っ……」
奥の方に引っ込めていた舌を掬い取られて、まるで食べるようにじゅぅっと吸われると、さっき鷹見が食べてたと思われる病院食のデザートの甘い味がした。

 ……このキス、やだ……

頭の奥がじんと熱くなって、もっとして欲しくなってしまう。

 無理、身体……変になっちゃう……
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