第15章 本当はね(ホークス)
突然の事すぎて、私は混乱した。
……な……
鷹見コイツ、何考えとんだ!
初見の相手にこんなさぁ……!
この遊び人が……っ……!
鷹見の肩を掴んで思い切り押すと、簡単にお互いの身体は離れた。
「い、いきなり何すんのっ!」
口を手の甲で拭いながら怒りをあらわにするけど、当の鷹見はどこ吹く風だ。
「何って、ねぇ?」
へらへらと笑いながらそう言われて、なんだか自分が怒っているのが間違いなんじゃないかと錯覚してしまった。
……ま、まぁ……
今更、キス位でやんややんや言う歳でもないですけど!
けどねぇ……って、あれ?
っていうか、私が悪いの?コレ。
ち、違う違う!鷹見が悪い!
「ねぇ?じゃなくって!ヘンな事、しないで!」
「はは、すんません」
鷹見があんまり屈託なく笑うもんだから、今度はキス位で怒っているのが馬鹿らしいとか思い始めてしまった。
結局私が折れる羽目になるんじゃん……なんでだよ……
……なんか……
……鷹見って、ヘンな奴……
「もういいや……めんどい……」
「へぇ……なら」
いきなり腰をぐっと抱き寄せられて、お互いの身体が密着してしまう。
「もう1回、します?」
そう言って余裕の笑みを浮かべた鷹見に、めちゃくちゃ不本意だけど一瞬ドキッとしてしまった。
「……調子乗んなよ鷹見」
そんなの気付かれたくなくてガンを飛ばすと、鷹見は私の腰に回していた腕をサッと離した。
「あはは、サーセン」
両手を上げて口だけ謝りながら、この期に及んでへらへらするのでもう怒る気力も無くなった。
「……そうやっていつも女引っかけてんだ?」
「人聞き悪いっすねぇ、俺は素直なだけですよ」
「あっそ」
プイっと顔を逸らすと、顎を掴まれてぐいっと鷹見の方を向かされる。
「いだっ!え!」
視線の先にはスマホがあって、画面の上の方に『ロック解除』の文字が浮かんだ。
ちょ、それ私のスマホ!?
パジャマのポケットに入れてたはずなのに、いつの間にコイツ!
「おっ、ロック外れたっスねぇ」
鷹見は私のスマホを勝手にポチポチ操作すると、満足したのかそれを私に寄越した。
「俺の連絡先入れときました」
「絶っっ対その連絡先、使わないから入れなくて大丈夫だし」
スマホを受け取りながら悪態をつくと、「あ」と鷹見が声を上げた。