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たまのケージ【ヒロアカ】

第15章 本当はね(ホークス)


とにかく、この人達は仲間意識が相当強そうだ。

「甘井さんのベッドは、窓際になりますのでね……また後で、色々説明に伺いますから」
そう言って、看護師さんは病室から出て行った。

とりあえず、荷物を置きながらお隣のベッドの人に挨拶をしてみる。
「あのぅ……今日からお世話になります、甘井といいます……よろしく、お願いします……」
「あぁ、甘井さんね!私高橋です!やっぱり、胃潰瘍?」
「……はぁ……まぁ……」
私がそう答えると、高橋と名乗った女の人が病室のメンバーの名前と入院の経緯を教えてくれた。

入り口から海野さん。26歳、会社員。
上司のパワハラが過ぎて胃潰瘍になってしまったらしい。

その隣が遠藤さん。52歳、主婦。
お子さんのいじめ問題にストレスを感じすぎて胃潰瘍になってしまったらしい。

向かいの入り口に戻って高橋さん。34歳、会社員。
過労と度重なる胃腸炎が原因で胃潰瘍になってしまったらしい。

で、その隣は私。

「よろしくねぇ、甘井さん」
「絶食つらいのは5日目までだから!それから先はマヒっちゃってなんも感じなくなるから大丈夫!」
「ちょっ、マヒるとか言わない!甘井さんビビっちゃうでしょ!」
「あははっ、甘井さん、夜眠れなくなったら語り合お!」

そんな病室仲間になる人達の会話を頷きながら聞いていて、なんだかこの病室の人達は団結力がハンパないと思った。

 あ、この病室でよかった……なんとなく。

頼もしい先輩?が一気に増えた事に私は安堵した。

「ちょっと、この階の病棟一回りしてきますね」
高橋さんにそう告げて私は病室を出た。

病棟を探検していると、個室らしき部屋の扉が開いていたのでどんな金持ちが入院しているのだろうと好奇心が湧いてしまう。
チラッと中を覗くと、そこにはベッドの上で何やら紙の山と格闘する男の人がいた。

 いいなぁ……金持ってて。

 私も個室がよかったけど、お金なかったんだよなぁ……

恐らくだけど、仕事をするその人につられて私はふと仕事の事を思い出してしまった。

急に会社が破産申告をした所為で、私は給料未払いのまま無職になってしまったのだ。

 やっぱ厄年って、こんな事ばっか起きるのか……

 やだなぁマジで……

そんな事を考えていると、中の人と目が合ってしまった。
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