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たまのケージ【ヒロアカ】

第14章 可哀想な2人(相澤消太)


「なんだ、動画がどうした」
ひょいっとスマホを覗くと、そこには数人の誰かが映っていた。
「これ、この一番右の人……あの掃除のお姉さんじゃない?ってみんなで今言ってたんですよ」

そう言われてよく目を凝らして見ると、確かに右端に繭莉が映っていた。

「この動画、なんなんだ?」
そう尋ねると、スマホを持っていた生徒が動画をまた頭から再生した。
「なんか、新しいドラマのインタビューみたいな……?」

確かに、見てみるとそれはなんの変哲もない新ドラマ出演者達の意気込みをインタビューした動画だった。
「これでなんで俺の方見たんだ、お前らは」
「いやっ、相澤先生仲良かったじゃないですか、あのお姉さんと!なんも知らなかったんですか?」

 仲がいい?

 まさか、そんな風に見られてたとは……

「別に、仲良くはない」
「え?そうなんですかぁ?」
「っていうか、ドラマ出るから掃除するの辞めちゃったの?」
「ホントはお姉さんの事どう思ってたんですかぁ?」
生徒達に矢継ぎ早に質問されて、どう答えていいのか分からなかった。
「……あのなぁ……」

なんとか言い訳をしようと思った時、動画の音声が『じゃあ真宙役の繭莉さん!』と繭莉に話を振るもんだから、ついスマホの方に耳が傾いてしまった。

『初めてのメインキャストだそうですが、意気込みをどうぞ!』

画面の中の繭莉の視線は、宙を仰いだ。

『えーっと……初めてお話をいただいた時は、新手の詐欺なんじゃないかと思いましたけど』
そんな語り出しに画面の中の一同が笑う。
『そんな笑わないで下さいよぉ……本当に、不幸続きだったんですから、あの時は』
『その不幸から、どう抜け出したんですか?パワスポでも行ったんですか?』

インタビュアーの素朴な疑問に、繭莉の視線が泳ぐ。

『……んー……』
そして一瞬考え込むような素振りを見せたが、首を軽く横に振った。
『私も、よく分かりません』
『あら……そうなんですか……じゃあ、話を変えて……どんな人にこのドラマを観て欲しいですか?』

そう聞かれると、繭莉は何かを思い出すような表情をして左斜め上に視線を動かしながら答えた。

『えっと……その……好きな人がいる人には観て欲しいです……?』

 なんで疑問形なんだよ。
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