第14章 可哀想な2人(相澤消太)
しかし、何故かここで面倒見の良さを発揮してしまった消太は繭莉を抱き上げるとベッドに横たわらせた。
放っておけばいいものを……なにしてんだ、俺……
不幸な目に遭った好みの顔が、無防備に眠っている。
それを見ると何故か、いつもより心臓の音がうるさい気がする。
いや、待て違う。
決して色恋とかそんなんじゃない。
違う……
ちが……
「……はぁ……」
後頭部をがしがしと掻きながら、消太は大きな溜息を吐いた。
俺は酔ってる。
だから、こんな……
ここで初めて自分が酔っていると心の中で認めた。
ちらりと繭莉を見ると、まぁ人の気も知らんとすやすや眠っていて何をしても起きなさそうだ。
いや待て。
何って……何を考えてんだ、俺は……いや、酔ってる所為だ、きっと。
そっと繭莉の頬に触れると、酔っている所為か少し熱かった。
涙で頬に張り付いた髪の毛を耳にかけてやる。
「……ん……?」
眠っているくせに消太の手に頬を摺り寄せてくるもんだから、彼氏かなんかと勘違いしてそんな事してんじゃないのかと思ってしまう。
でも、その仕草が可愛かった。
可愛かったもんだから、魔が差したのかもしれない。
何故か繭莉に、キスしてしまった。
消太は、心の中で頭を抱えた。
やってしまった。
コイツが悪い。
こんな好みの顔でこんな事するから。
俺は悪くない……いや、多分悪いけど。
自分と葛藤するけれど、もうこんな事をしてしまったら止まらない。
ベッドに上がって、繭莉の上に覆い被さると、またキスをした。
唇の隙間から舌を差し入れて、彼女の舌を掬いとる。
そして、食べるようにじゅぅっと吸うとぴくっと小さな身体が反応した。
「……は……」
唇を離すと、いつの間にか繭莉が起きていた。
いや、正確には起きているのかなんなのか……その目はとろんと蕩けていて、目が合っているようで合っていない気がする。
そんな顔で、彼女は寝言でも言うかのように呟いた。
「……おにーさん……もっと……」
そんな馬鹿みたいな一言で、消太の理性は音を立てて崩れ落ちた。
自分の欲望に任せて繭莉の着ているスウェットに手をかけてぐっと捲ると、分かっているのかいないのか自分でそれを脱ぎだした。