第15章 本当はね(ホークス)
そうだ。
もう、自分の気持ちに気付いちゃったんだからしょうがない。
「わ、私……好きな、ひとが……」
「鷹見さんですか?」
ぴたりと言い当てられて、私は思わず上村さんを見た。
「え、えと……?」
「はは、甘井さん見てたら分かりますって」
ふと、さっきお母さんにニブいと言われてしまった事を思い出した。
……
気付いてなかったの、私だけ……?
自分の事なのに、なんでかなぁ……
「それでも僕とデートしてくれるって言うから、期待しちゃいました」
「……ごめん、なさい……」
私は、申し訳なくなって深々と頭を下げた。
「甘井さん、頭上げてください」
言われるまま顔を上げると、おでこに温かい感触がしてそれが上村さんの唇だと気づくのに時間はかからなかった。
「わっ!~~~っ!」
おでこにキスされるという突然の事にビックリして、おでこを押さえてあたふたする私を見て上村さんはプッと吹き出した。
「ふ、すみません!……これは、僕の未練です」
「……え……?」
「鷹見さんに気持ち、伝えなくていいんですか?」
き、気持ち……伝え……?
「え、えっと……」
どうすればいいのか分からなくなって視線をフラフラさせていると、雑踏の中に見つけてしまった。
あ、あそこ歩いてんの……鷹見……?
よくもまぁ自分でも見つけたと思ってしまう。
私の視線に気づいたのか、鷹見は一瞬こちらを見たけどまた普通に雑踏に紛れて歩いて行ってしまった。
「あ……」
私の視線を追っていたのか鷹見の存在に気付いていた上村さんが私の両肩にぽんと手を置いた。
「チャンスじゃないですか?甘井さん」
「え、あ、その……」
「早く行って下さい!」
上村さんは、そう言うと爽やかに笑った。
「あの、ありがとうございます、上村さん!」
私は、鷹見を目指して走り出した。
「ど、どこ行った……」
鷹見を探そうと思って雑踏の中に飛び込んだのはいいけれど、全然見つかる気配がしない。
さっきまで、ここら辺にいたのにぃ!
アイツっ、もういないなんて足速いんじゃ……
まぁ、ヒーローのホークスだからなぁ……そっか……
「そんな可愛いカッコで探し物ですか?繭莉さん」
背後から鷹見の声が聞こえて、私はぴたりと足を止めた。
「上村さんはどうしたんです?」