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The usual one【ヒロアカ中心】

第1章 限定って言われると欲しくなる(ホークス)


 私がぼんやりそれを眺めていると、亜有佳がぺしっと頭を叩いてきた。

 「ち、違うよ繭莉!あれ、鳥じゃない!ホークス!」
 「ほ?ほー……」
 「ホークスだよ!ヒーローの!鳥にはどう見たって見えないよ!しっかりして!」

 麻弥に肩をまたガクガク揺さぶられて、私の視界はグラグラ揺れた。

 ……私、しっかりしてるけど……?

 そう思いながらもう一度窓を開けて外を見る。

 あ、確かに。

 人間に、羽生えとる……

 まぁ、この個性飽和社会にあんな感じのヒト、1人や2人いるだろうけども……。

 「鳥人間……」

 私が呟くと、それが聞こえてしまったのかそのホークスとやらと目が合った。

 「あれ?」
 「は……」

 ホークスは、窓の桟に足をちょんと乗せて座り込み、窓際に立っていた私の顎をいきなり掴んだ。

 「君、可愛いね」
 「……はぁ……?」

 な、何だコイツ!

 完璧棒立ちの私にお構いなしに話を続ける。

 「でもさぁ」

 ずいっと顔を近づけられる。
 鼻先が触れ合いそうになって、ついでに甘いコーヒーの香りがふんわりして、ドキリとした。

 な、なに!? 

 そう思った、その瞬間。

 「いだっ!」

 目元にチクリと痛みが走った。

 「これはよくないよー」

 ホークスが手に持っていたのは……

 「え、つけま、取った!?な……」
 「へー、最近のはよく出来てるね~」

 いつの間にか、つけまつげを取られていた。
 痛い。
 それを日の光に当てながらホークスはにっと笑った。

 「偽物に頼っちゃ、ダメだよ」
 「……は……」

 出会って3秒で何言ってくれちゃってんだコイツ。
 つーか、マジで何者?
 訳分かんないし。

 「じゃあ、またね」

 混乱する私をよそにホークスは、眼下でキャーキャー言っているであろう女子達にひらひらと手を振りながら飛んで行ってしまった。
 
 「……ねぇ亜有佳、なに、今の……」

 私が、彼がいた所を指差しながら言うととキラキラと目を輝かせていた。

 ……あ、コレ、やべぇやつ……

 「ちょ、繭莉、何今の!」
 「いや、こっちが聞いてる……」
 「繭莉、ホークスに気に入られたじゃん!どうすんの?ねぇ!」

 またもや麻弥に肩を揺さぶられて、気が遠くなった。

 ……だから何、アレ。
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