第12章 ゆめのプロポーズ2(相澤消太)
そう思って、段ボールをひょいっと持ち上げて店内に入る。
がらんと空いた、その棚に例のものを並べていく。
並べながら、考える。
なんで、コレなんだろう。
めちゃくちゃ好き、とか……?
いや、それとも忙しすぎてご飯食べる時間も惜しいとか?
例のものとにらめっこしながら、うーんと唸っていると後ろに人の気配を感じたのでもしかしたらと思って立ち上がった。
「いらっしゃいませ!」
後ろに居たのは、やっぱりいつものお兄さんだった。
「昨日、在庫なくてすみませんでした。入荷してますよ」
「どうも」
あんまり表情を変える事もないまま、お兄さんは例のものを手に取った。
あ、そうだ。
私がエプロンのポケットをごそごそするのを見て、お兄さんは少し不思議そうな顔をした。
「何か?」
「あの、えっと……これ、よかったら」
そう言って差し出したのは、目薬。
チョコのお返しを何にしようか迷ったけど、直感で目薬を選んだ。
「疲れ目とか、ドライアイにめちゃくちゃ効くんです、これ。昨日、チョコいただいちゃったんでお返しと思いまして……」
「はぁ」
相変わらずお兄さんの表情はあんまり動かない。
……外した?
やっぱ、例のものをもう一個オマケとかの方が、よかったかなぁ……?
私がうっすら後悔していると、お兄さんは私の掌の中の目薬をそっと取った。
「ドライアイなんで、助かります」
え、よかったぁ!
私の直感も、たまには役に立つなぁ……!
「いえ、私の方こそありがとうございました。あのチョコ、おいしいから好きなんです」
好きなんです
と言った所で私ははっとした。
やだ!
なんか、好きって言っちゃった!いや、チョコがなんだけど……
けど、お兄さんに告白してしまったみたいで何だか気恥ずかしくなった。
「……すみません……」
思わず、謝ってしまった。
きっとお兄さんからしたら、何で謝られているのか意味不明だろう。
「……いえ?」
お兄さんは、やっぱり私が謝った事を疑問に思ったのかちょっと語尾が疑問形だった。
「あ、えっと!気にしないで、ください……すみません……」
結局、すみませんの上塗りをしてしまった。
「そんな謝らなくていいです、甘井さん」
え!?名前……!?