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たまのケージ【ヒロアカ】

第11章 スターと恋(轟焦凍)


「ごめんね、ヘンな事言っちゃった?」
 
繭莉が、焦凍の顔を覗き込んだ。
 
お日様の光に当たった綺麗な瞳が、焦凍の瞳を捉えた。

初めて会ったというのに、胸がうるさい程高鳴る。

「いや、別に」
やっとの事でそれだけ絞り出すと、アナウンスがホームに響いた。
『間もなく、1番線に―――』
 
「しょーとくんも、この電車乗る?」
そう聞かれて頷くと、繭莉が笑顔で言った。
「私も!じゃあ、もう少し話出来るね」

 話って……何話せばいいんだ?

 考えあぐねていると、電車がホームに入って来た。

電車の中はそこそこ人が座っていたが、2人座れそうな所があったので並んで腰かける。

何故か芸能人と並んで座っている……不思議な気分だった。

「その制服、雄英だよね?」
「あ……はい」
「すごいねぇ、イケメンでエリート校通ってて……将来はヒーローになるの?」
 
そう言われると、なかなかにすごい人間になってしまうので何となく気恥ずかしくなる。
 
「でもさぁ、それって約束された将来みたいだけど、しょーとくんが努力して勝ち得たものだから、今まで相当頑張ったんだろうね」
 
繭莉は普通に言ったつもりなのだろうけど、焦凍はその言葉が何だか嬉しかった。

エンデヴァーの息子で、強個性。

努力なんてしなくても生きていけそうだと思われる事の方が多かった。

でも、繭莉は今日初めて会ったばかりだというのに、焦凍が心のどこかで欲しかった言葉をくれたのだ。

 繭莉って、なんかすげぇな……だから人気出んのか?

 ……分かんねぇけど……

「しょーとくん?」
ぼんやりと考えていた所にまた顔を覗き込まれて、焦凍ははっとなった。
「や、ごめんね!私ばっかり喋ってた」
「……いや、」
 
寧ろその方が助かった。
 
何を話せばいいのかさっぱりだったのだから。

『間もなく―――』
アナウンスが電車の中に響くと、繭莉はおもむろに鞄からメモ帳を取り出して、何かをスラスラと書いた。
 
そして、それをピッと破ると焦凍に渡してきた。

「今度は、よかったらしょーとくんが話して」
 
それだけ言うと、繭莉は開いたドアから出て行ってしまった。

渡されたメモに視線を落とすと、綺麗に並んだ11個の数字。
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