第6章 ブルーベリー・ナイツ(切島鋭児郎)
指の動きが段々早くなって、頭の奥がジンジンしてくる。
わたし、もう……
「あ、あ、やぁっ、わ、たし……イ、っちゃ……!」
すると、指が引き抜かれてその代わりにホークスのが、予告もなく私の中にずんと押し入ってきた。
「きゃ、あぁぁんっ!あっ、あ……」
それだけで、ナカがびくびくと痙攣してイってしまったんだと気づくのに時間は掛からなかった。
「っは……挿れただけでイくとか……」
軽く身震いをしたホークスが、私の腰を掴んで律動を始めた。
最初から、奥を激しく突かれて眩暈がしそうになる。
「あぅっ、ん、んっ、そんな、おく……っ、やあっ……!」
こんなの……すぐまたイっちゃう……
部屋には肌のぶつかり合う音と、結合部から出るぐちゅぐちゅという音がずっと響いていた。
身体を揺さぶられて、また絶頂の予感が私を襲う。
「あっ、あ、あ、だめ……また、イっちゃ……」
「く……っは……出る……!」
「あ!だめ、なかは……っ!」
私は焦ってそう言ったけど、聞いてもらえる気なんてまるでしなかった。
「は、自分から、誘っといて、っ、何しおらしくなってんスか……!」
「だめ、だめっ……っやああぁぁっ!」
「……っく……」
私がイってしまったのと同時に生暖かい感触を太腿辺りに感じた。
「……はー、はぁ……ぅ……」
余韻に浸りながら自分の身体を見ると、太腿に精液が吐き出されていて、中に出すのは直前で思い留まってくれたんだと少し安心した。
「……はい」
ティッシュを差し出されたので、それを無言で受け取るとホークスは軽く身なりを整えて部屋の出口の方へ歩いて行った。
「あ、あの……どちらへ……」
「トイレ。……それ拭いたら、出てってくださいね」
バタンとドアが閉まった。
憧れだったヒーローの、男を知ってしまった。
けれど彼は、好きな女以外まるで興味なんて無かった。
身体が繋がったら、何か起きるかもなんてまた変な考えを起こした自分が心底嫌いになった。
何で同じ間違いをするんだろう。
というか、何で求められるのは身体だけなんだろう。
私には、運命のひとなんて現れるんだろうか。
「はぁ……なんか、虚しい……」
私は、ホークスが戻って来ないうちにサッと身なりを整えて逃げるように部屋を後にした。