第13章 推しと好き(爆豪勝己)
「……ん……?」
目を覚ますと、男の子の匂いがした。
「……んん……?」
あ……そうだ……
私、爆豪くんと何でか分かんないけど、いたしちゃったんだった……。
掛けられていた布団を捲って、自分の身体を確認するとはだけられていた服もしっかり着ているし、汚されたお腹も拭かれていた。
……意外と几帳面……A型……?
そんな事を思いながら、ちらりと隣を見ると私につられたのか爆豪くんがすぅすぅと眠っていた。
その、あどけない寝顔を見て思う。
なんで、こんな顔出来んのに普段あんな暴君なんだろ。
ちょっと、人生損してんなコイツ。
いや、私には関係な……いや?
えっと…………
なに、この気持ち。
ちょっと……いやかなり……分かんない……
私は、勝手にちょっと気まずくなってしまって、爆豪くんが目を覚まさないうちにこっそりベッドから抜け出した。
「……ありがと、爆豪くん……」
寝てるから当然聞こえないんだけど、それだけ呟いて私は部屋を出た。
そんな事があった、次の日。
「……はぁ……」
私は、溜息を吐きながら教室へ行くために廊下を歩いていた。
昨日の夜は、上手く眠れなかった。
なんでって?
ほら……やっぱりさぁ……
爆豪くんのあれよ、あれ……
あの人、私の事どう思ってるんだろう?
ただ単に可哀想なヤツに見えた?だから慰めてきたんだろうか。
……それとも……
そんな事をぐるぐると考えていたら、いつの間にか朝になってしまっていたから眠れなかった。
「繭莉ちゃんおはよ!」
透ちゃんに挨拶されて、私ははっとなった。
「あ!……と、透ちゃん、おはよ……」
「今日の相澤先生、どうだった?」
「……ん……?」
相澤先生……相澤……あぁ、ざっぴーね……うん……
「今朝、まだ会ってないよ……」
「え?」
透ちゃんが嘘でしょみたいなニュアンスの声を出したので、私の頭には疑問符が浮かんだ。
「相澤先生、あそこ歩いてるよ?」
「へぇっ?」
後ろを振り返ると、確かにざっぴーが歩いていた。
いつの間にか、すれ違っていた事に私は気付かなかったのだ。
あれ?
私のざっぴーレーダーが反応しないなんて、どういう事?
「……おかしいなぁ……」