shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第4章 距離
車が走り出して暫くしてから、そうちゃんが口を開いた。
「が入院し始めた頃に伝えた事やけど、僕はまだ諦めてへんよ」
「···えっ、?」
それって、私に「結婚しよか」と言った事?
私はま直ぐに前を見て運転するそうちゃんに視線を向けた。
「ぶっちゃけこのまま新居の契約しに行きたいくらいやし、さえ良ければ一緒に暮らしたいとも思とる」
「···」
「僕は本気やで」
「···それは、私の背中の傷が、そうちゃんのせいだからって思ってる?」
だとしたら違う。
この傷は女の子を庇って出来た物だから、そうちゃんが、とかは関係ないのだ。
「ちゃう。···と言ったら嘘んなるけど、ガキん頃からの事、好いとった。今、は好きな奴おんのか?」
ドキッ、と胸が跳ねた。
そんなにさらっと告白されたことにも驚いたけれど。
「···いない、けど。···私は、結婚する気、無いから···」
「ごめんなさい」と、小さく呟いた。
「ほんなら、僕と結婚したい思てもらうために···、やっぱり今すぐに契約しに行こか」
「はぁ!?」
ちょっと人の話聞いてたの!?
私の気持ちとは裏腹に、そうちゃんは大手の不動産屋さんへと車を走らせた。