shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第4章 距離
そこからの流れは早かった。
告白した勢いにまかせて、私達は不動屋さんへと足を運んだ。
入ってすぐにカウンターがあり、案内されて席についた。
「お部屋のご希望を教えてください」
担当の方に名刺をもらい、早速話が始まった。
「せやな···」
「はどんな部屋がええ?」
どんな、と言われてもすんなりと条件が出て来ない。
二人で住むなら、やっぱり2部屋はあって···などと考えていると隣でそうちゃんが「せなやなぁ···」と呟いた。
「僕は築5年以内の南向けの物件で、2DK、バストイレ別、キッチンは広くてベランダも広い方がええな、洗濯物干すんにその方がええやろ、それから···3階以上で駅近で」
「ちょ、ちょっと待って、そうちゃん」
と、私はすらすらと条件を出す彼の名を呼んでストップをかけた。
上の条件に加えてまだ追加しようとすれば、都内ならば家賃が跳ね上がる。
駅近なら尚更、これだけでも10万以上さらっと行きそうな内容に、私は震えた。
「どないしたん?」
「家賃の事なんだけど、それだと···」
「あぁ、それなら大丈夫や。家賃補助ちゃーんと出るし、そこら辺は心配ないで」
そうじゃなくて!
その家賃を私も払うのだから、私も払える範囲でと···。