shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第4章 距離
諸々の手続きや支払いを済ませた後、私達は病院の駐車場に来た。
そうちゃんに手を引かれてやって来た所には、黄色い車が止まっていて、ガチャッと言う音と共に車の鍵をアンロックしたそうちゃん。
「これが僕の車や、さっ、乗って」
私のバッグを後部座席に置いて、助手席のドアを開けてくれた。
(本当に、いいのかな···?)
そうちゃんの顔色を伺っても、ただにこにこ笑みを浮かべているだけで、私は言われるがままに車に乗り込んだ。
助手席のシートに座ると、ほんのりとホワイトムスクの香りがした。
香りにつられるようにしてダッシュボードに視線を向けると、紫色の瓶のフレグランスが置いてあった。
他の人の車に乗るのは少し落ち着かなくて、そわそわしているうちにそうちゃんが車に乗りこんで、少しだけ車が揺れた。
「ほな、車出すからシートベルトしてや」
「う、うん···」
隣に座るそうちゃんの姿。
何だか異様に緊張し始めてしまって、意識してしまって···ドキドキしてしまう。
私はもたもたしながら、シートベルトをカチャンとしめた。