shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第3章 自覚
「こんな所におったんか」
「そうちゃん!」
日も沈みかけた頃、私は病院の屋上に来ていた。
最近は余獣の出現率も増えて、あの時以来、全くそうちゃんには会えなかった。
毎日のようにお見舞いに来てくれていたそうちゃんが来ないのを、いつも心のどこかで寂しく感じるようになってしまっていた。
コンコン、と病室のドアがノックされる度に、期待してしまっていた自分がいた。
先生や看護師さんが来る度に、期待しては外れて、少なくともショックのような寂しさが胸を走った。
それに比べて、テレビ画面に映るそうちゃんはいつも余裕の笑顔で、討伐隊の皆と歩いているのを見ていた。
怪獣アラートが発令される度に思い出すのは、そうちゃんの事だった。
怪我してないかとか、無事に帰って来て会えるだろうか、とか···。
画面越しじゃなくて、会いたいよ···。
と思ってしまっていた頃には、気づけば私はそうちゃんの事が好きになっていたのだと思う。
それから程なくして、私はリハビリに力を入れた。
そうちゃんの隣を歩きたい。
怪獣により背中をコンクリートの壁に激突させられたことによる背骨の損傷に、暫く歩く事は難しいだろうと言われたけれど、私は余裕綽々のそうちゃんの驚く顔が見たくて、私はその日からリハビリを頑張った。