shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第3章 自覚
「···、なあなあ。保科副隊長、最近すっげー調子よくね?」
余獣の殲滅をライフルに似た銃でしながら、短刀両手に蝶のように身軽に舞うように余獣を切り刻んで行く保科宗四郎の姿に、古橋伊春は隣で戦う市川レノに問いかけた。
「今は怪獣討伐中だぞ、集中しろよ」
とは言ったものの、古橋伊春が言った通りに、最近の保科副隊長はすこぶる調子が良さそうだった。
何よりも毎日が楽しそうに勤務をこなしては、暇があると必ずふらっとどこかへ消えてしまう。
今だってそうだ。
余裕綽々に飄々と余獣達を殲滅している。
「何?僕の事見とらんと、殲滅に集中し!」
こっちの事ももちろんバレていた。
「「···了」」
「ほら見ろ」と市川レノは古橋伊春にじっと横目を向けた。
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「で、今回余獣殲滅中に気が散っとったそこの2人、帰ったら腹筋100回覚悟しときや」
余獣殲滅後、保科副隊長に叱咤された2人はすかさずに返事をした。
「「···了」」
市川レノは、そらみろと古橋伊春に視線を向けた。
「所で、どうしてあんなに僕の事見とったん?」
「副隊長が、最近調子良さそうなので何があったんだろうと···」
「ふーん、で、僕の事怪獣の殲滅中に見とったちゅーわけか」
「···はい。すみません」
「···ほな、外周も30週追加で」
「「···えっ」」
「僕らは命懸けの仕事をしとるんや、たるんどったら一瞬で足元すくわれるで」と、笑顔で2人に告げた。