shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第2章 幼なじみ
いいや、今はそれ所では無い。
いくら看護師であろうとも···。
の乗る車椅子の手づかみを触って欲しくは無い。
「すみません。さんの身内(になる予定)の者です。看護師さんはえらい忙しいでしょうから、僕が変わります」
棘を含んだ声だった。
宗四郎自身、こんな刺々しい言い回しをする予定では無かったのに、余程腹の虫が悪いらしい。
「···、そうですか、分かりました」
男性看護師は眉をひくつかせて笑みを繕い、身内ならばと病棟へ戻って行った。
去り際に宗四郎を気にいらなさげに睨んだが、宗四郎は笑みを貼り付けて無視をした。
(おー、こっわー)
だがこちらとて怪獣と闘っている身としては可愛いもんだ。
所で···。
「外室許可、おりたのに何で言ってくれへんかったん?」
「···まさか、そうちゃんが来るとは思って無くて。その時に伝えればいいかなと思って」
「で、あの看護師に車椅子押してもろて、2人っきりで中庭デートしてたっちゅー訳か?」
「···デートって、大袈裟な。あの人はただの私の担当の人だし、今日だって無理言って外に出して貰ったわけだし」
「···せやかて、あの看護師の事″そんな目″で見とったの、気付いておらへんかったん?」
あの時のを見る看護師の表情に、未だにざわつきを抑えられない宗四郎。