shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第2章 幼なじみ
担当看護師の岩崎さんが私を見ていた?
そんな目で···?
いやいやそんな訳無い···と思うけれど。
「そうちゃん、もしかして怒ってる?」
先程から不機嫌そうなそうちゃんの様子が気になってしょうがない。
私何が何かしてしまったのだろうか、と不安になってしまう。
「···怒ってへん。ムカムカしとるだけや」
それを人は怒ってるって言うんちゃうんかい、と移ってしまいそうな関西弁でツッコんだ。
「···もしかして、昔みたいな呼び方が嫌だった?」
「ちゃう」
″ちゃん付け″で、呼ぶのは嫌じゃないんだ。
それじゃあ···。
「外室許可取れたの、言わなかったから?」
「ちゃう」
だよね。
そうちゃんがそんな事で怒るはずが無いもの。
「······やきもち?」
いやいやそんなまさか。
小さい時はそんな事なかったし。
偶然に再会しただけだし、そうちゃんが私の事そんなふうに思ってる訳···。
「せや」
「え···?」
短い返事だったけれど、車椅子の手待ちが強く握られた気配を感じながら、恐る恐る後ろを振り向いた。
「何やのその顔。僕はガキん頃からの事好きやったんやで」
「···え、は?」
落ち着いた柔らかな声音に、私の心臓が小さな音をたてた。