第1章 出会い
「夢子……俺たち友達だよな?」「え?う、うん」突然のことに私は戸惑いながらも答える。「じゃあさ……俺は夢子の味方だ!だから辛い時はいつでも言ってくれ!」「……ありがとう」私がそう笑うと、三ツ谷は私の手を握ってくれた。その手はとても温かくて優しい感じがしたのだった。「ハハッ、お兄ちゃんさっそく彼女候補ができたね」ルナはいたずらっぽく笑う。「ち、違うわ!」三ツ谷は慌てて否定するが顔は赤くなっていた。ーーー「じゃあな~夢子、また来いよ」「うん!バイバイ!」私は笑顔で手を振ると三ツ谷も笑って手を振り返してくれた。帰り際彼は私にこう言ってくれたのだ。「……もしなんか辛く時にはいつでも言ってくれ」夢子はその言葉を心の中で反芻する。(ありがとう……彼になら私の家族のこと話せるかも……)夢子はそう思いながら家路についた。ーーー「ただいま~」私が家に帰るとお母さんが出迎えてくれた。私はお母さんに向かって言う。「ねぇ、お母さん!私ね、今日友達ができたんだ!」するとお母さんは嬉しそうに言った。「まぁ、良かったじゃない!どんな子なの?」「えっとね、名前は三ツ谷隆くんっていうんだけど……」私は三ツ谷について話した。「……そう、素敵なお友達ができたわね」「うん!」私は笑顔で答える。「そのお友達とはもう仲良くなれた?」「……うん、多分」私は少しだけ不安になりながらも答える。「そう、なら良かったわ」お母さんは安心したように微笑む。