第3章 憎しみ
「……でも、どうするつもりなんだよ」三ツ谷はマイキーに問いかける。「改心は無理かもしれないから」マイキーはそう呟くと夢子の父親の胸ぐらを摑むと、「おい!おっさん!よく聞け!もしこれから考えを改めなければ、このボイスレコーダーの証拠を使って、警察に突きつける」「なっ!」夢子の父親の顔は真っ青になった。「そうなったら、どうなるかわかるよな?」「ひっ!」マイキーの冷たい眼差しに恐怖を感じたのか、夢子の父親は震え上がった。「…わ…わかった」「本当だな?もし約束を破ったら、このボイスレコーダーを公開するからな」「……はい」「よしっ!よく言った。じゃあ、二度と夢子ちゃんや夢子ちゃんの家族に暴力ふるわないと誓え!」「わ、わかった……もう絶対しないから……」夢子の父親は怯えながら答えた。「ならいい」マイキーはそう言うと夢子の父親から手を離すと、三ツ谷と夢子の方を向いた。「……マイキー、本当にありがとう」「気にすんなって!俺はただ友達を助けたかっただけだし!」「……それでも、ありがとう。俺……お前たちのおかげで…俺…過ちを犯すところだったよ……」それを聞いた皆は満面の笑みを浮かべる。「夢子……ごめんな。俺、お前のこと守るって言ったのに……こんな酷い目に遭わせちゃって……」「ううん!いいの!だって、タカちゃんが私のこと守ってくれたんでしょ?私それだけで十分だよ!」「夢子……ありがとう」「こちらこそ……ありがとう。大好きだよ!タカちゃん!」二人は抱き合ったまま、しばらく離れなかったのだった……。