第3章 憎しみ
「……タカちゃん、何があったの?」「夢子の家に遊びに行ったら……こいつが夢子を殴っいたんだよ。夢子はすごく怯えていたんだ……涙をポロポロ流しながら『ごめんなさい』って何度も言ってて……でも、こいつは全然謝ってもいなかったし、それどころか『お前が邪魔だ!』とか『とっとと消えろクソガキが!』とか言って夢子に暴力を振るっていたんだ…『ごめんなさいごめんなさい…私なんか生まれてきてごめんなさい』って泣きながら謝っている夢子を見てたら俺……カッとなって気づいたらこいつを殴ってたんだ。でも、そんなことしても夢子は喜ばないし……むしろ傷つくだけなのにさ……俺……最低だよ」三ツ谷は辛そうな表情を浮かべていた。「タカちゃん……」「三ツ谷君……」「……三ツ谷、確かにお前は最低だ」マイキーは冷たい視線を向ける。「おい!マイキー!」ドラケンが止めようとするが無視して続ける。「でもな、一番最低なのはお前の父親だよ……」その言葉に夢子の父親の肩がビクッと反応する。「タカちゃん、コイツ殴って気が済んだかよ?」「……いや、まだだ」「そっか、ならいい方法があるぜ」マイキーは笑顔で言った。「どんな方法なんだ?教えてくれ!頼む!」「簡単さ。これを見ろよ」マイキーが見せるとそれはボイスレコーダーだった……。ボイスレコーダーを再生すると……『お前みたいなクソガキが!』『ごめんなさいごめんなさい!……私なんか生まれてきてごめんなさい』と三ツ谷が話していた内容が録音されている。「それっ!チッ!余計なことしやかって!」「マイキーさん……録音してたんですか?」夢子は驚きを隠せない。