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夢主の家族の問題を三ツ谷が助けようとしてくれる話

第2章 悪夢


三ツ谷は少し言いにくそうに口を開こうとしたが、八戒の家のことを思い出して躊躇ってしまう。(八戒も…兄貴から暴力振るわれてたもんな……)「……え?」八戒は驚いたように聞き返す。「あ、ごめん……なんでもないから」三ツ谷は慌てて否定するが、その顔には焦りの色が浮かんでいた。(やばい……思わず声に出しちまった……どうしよう)「いや、タカちゃん!ちゃんと話してよ!」八戒は真剣な眼差しで言う。「でも……お前には話せない」「え?それどういうこと?もしかしてその子……」三ツ谷の言葉に八戒は感づいたように目を開く。(ヤバい……バレたか?)「家族に暴力振るわれてるの!?」「っ!」三ツ谷は驚きの表情を浮かべる。「……やっぱりそうなんだね」八戒は悲しげに言う。「……あぁ、そうだよ……夢子は兄貴じゃなくて父親に暴力を振るわれてんだよ」三ツ谷は泣きそうになりながら言う。「そんな!くそっ!はぁ~はぁ~」八戒は彼女が同じように家族に暴力を振るわれていることに驚き、自分と照らし合わせてしまい呼吸困難になってしまう。「お、おい!大丈夫か!?」「はぁ~はぁ~タカちゃん……」「ごめんな。やっぱり…言わなきゃよかったかな」「いや、タカちゃん……俺は大丈夫だから…話…続けて」八戒は息を整えようと深呼吸する。「いいのか?」「うん……続けて」「……わかった。じゃあ話すよ。夢子は追い詰められてるみたいで「私が○ねばいい」って言ってるのを聞いて……俺……どうしたらいいのかわからなくなって……悪夢を見始めたんだ……しかも内容が日に日に酷くなっていってる」「え?どんな内容なの?」「……俺がその…夢子の…父親を……殺す夢だよ」「っ!」八戒は驚きを隠せなかった。「……それで、その夢が日に日にエスカレートしていって最終的には夢子の父親を手にかけるんだ……俺……心の底ではあいつの父親を殺したいって思ってるんじゃないかって……だから、最近あの夢を見るようになったんじゃないかって……」「タカちゃん!やめてぇ、タカちゃんは……そんなことする人じゃないよぉ……そんなの……俺と…一緒に……なっち……ゃう……」八戒はとうとう泣き出してしまった。
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