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夢主の家族の問題を三ツ谷が助けようとしてくれる話

第2章 悪夢


その後お父さんとお母さんは話し合いをして和解したようだったが、まだ完全にわだかまりが消えたわけではないらしい。しかし、以前よりも暴力を振るわれなくなったのは良かったと思う。でも、完全になくなったわけではないの……『○ね』とか『○す』とかが聞こえる。暴言も毎日のように飛んでくる。私やお母さんに○ねって言ってるのかな?酷いよ……あの日から三ツ谷君は毎日のように家に来て「大丈夫」「心配すんな」「俺がいるから」って言ってくれる。でも、最近少しおかしい気がするの……ーーー「……ん?」俺は目を覚ますと辺りを見回す。どうやらここは俺の部屋のようだ……時計を見るとまだ夜中だった……(またあの夢を見たのか)俺はため息をつく。俺が見る夢は毎回同じ内容だ。『お前みたいなくそ野郎は死ね!』『消えろクズ野郎!!』俺は夢子の父親に馬乗りになり殴る。『三ツ谷!もうやめて!』『お願いだから……やめて!!』「っ!」(まただ)俺は最近この夢を見る回数が増えている。しかも内容も日に日に過激になっている気がする……夢子の父親と言い争いになった今夜はついに『殺してやる』とまで夢で言っていた……でも、本当に夢以外でも殺意が湧いてきたことは事実だ。こんな感情は初めてだった……俺は夢子と出会ってから変わったと思う。今まではただ自分の夢に向かって突っ走るだけの人生だった。でも今は違う……『俺の大切な女』である夢子のために生きようと思っている自分がいる。だから、あいつを絶対に守ると決めたんだ。なのに……あの夢を見るようになってしまった。(くそ!なんでだよ)俺は頭を抱える。「うぅ、あ」俺はめったに泣いたりしない方だが、鏡を見ると涙の跡がついていた。きっと寝てる間も泣いていたんだろう。俺は洗面所に行き顔を洗うとリビングに向かうのだった……ーーー「大丈夫?三ツ谷君?顔色悪いよ」朝、学校へ行く準備の途中でルナが心配そうに聞いてきた。「ん?大丈夫だよ……ちょっと寝不足なだけだから」俺は心配かけまいと笑顔で答える。「そう?ならいいけど……なんかあったら言ってね」ルナはそう言うと少し不安そうな表情をしていた。「……あぁ、ありがとう」俺は礼を言いながらも内心は不安でいっぱいだった。(やっぱりあの夢のせいであまり寝れてねえからかな)俺はため息をつくと再び歩き出すのだった……
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