第2章 悪夢
「……それでさ……お前のクズな父親のことだけどよ。いつもはお前が家に遊びに来てるけどこれからは俺がお前ん家に行く」「え?」私は思わず聞き返す。「午前中は学校があるから無理だけどさ、毎日学校から帰ったらすぐにお前ん家に行く」彼は真剣な表情で言う。「……いいの?妹たちのお世話とかあるんじゃ?」「大丈夫だ!でも、たまに一緒に連れてくるかもしれないけど許してくれな?」彼は少し申し訳なさそうに笑う。「もちろんだよ!でも……本当に大丈夫なの?無理してない?私は嬉しいけど……」私は心配そうに聞く。「……あぁ、俺は大丈夫だ!」彼は力強く言う。「じゃあ、お願いします」私は笑顔で答えるのだった。「休みの日もお前ん家に遊びに行ってもいいか?」「え?いいけど……東卍の集会とかはいいの?三ツ谷君は東卍の隊長なんでしょ?」「あぁ、集会とかは夜からだし大丈夫。少しくらい遅れたとしてもマイキーなら許してくれる」彼は笑顔で言う。「そうなんだ……じゃあいいよ!」私も笑顔で返すのだった。「……でも、どうしてそこまでしてくれるの?」私は不思議に思い彼に聞く。すると彼は顔を赤くしながら答える。「そ、それは……お前が好きだからだよ!言わせんなバカ……」彼は照れながら言う。「……あ、ありがとう」私は思わず顔が熱くなるのを感じたが同時に嬉しくもあった。ーーー「ただいま、ねぇ、お母さん」私は家に帰るとお母さんに声をかける。「あら、おかえりなさい」お母さんは笑顔で迎えてくれる。「これから三ツ谷君が学校終わったら遊びに来てくれることになったの」私は嬉しそうに話す。「え?そうなの?……まぁ、いいわよ……でも……あんまり遅くまでいたら…あの人が仕事から帰って……」お母さんは少し不安そうな顔で言う。「うん、あのね……三ツ谷君……私ことが好きって……だから、私がお父さんから傷付けられるの見たくないんだって……お父さんから守ってあげるって…」私は照れ臭そうに話す。「っ!」お母さんは驚いた表情を浮かべた後、少し悲しげな表情になる。「……そう……じゃあしっかり守ってもらいなさい」お母さんは少し悲しそうな声で言うがすぐに笑顔になり答える。