第34章 蝶の庭と、火薬の匂いの少年
「おい、玄弥! カナヲ! てめェら二人で何を独占してやがんだァ!」
「カナヲ、の隣は俺の場所だ。……玄弥も、兄貴に隠れてこっそり甘えるなよ」
案の定、庭の向こうから実弥さんと炭治郎くんが、血相を変えて走ってきた。
「兄貴……! 別に甘えてなんかねぇよ! ただ、さんに飴を……」
「炭治郎、意地悪。……さんは、今私をぎゅってしてくれてるの」
玄弥くんは兄の威圧感にタジタジになりながらも、繋いだ手だけは離そうとしません。カナオちゃんも、炭治郎くんの正論(?)を涼しい顔で受け流し、私の腕の中に収まり続けている。
「わ、わかったから! みんな仲良くして……っ!」
強すぎる光(柱)と、それを追いかける若い力、そしてその中間にいる私。
戦いが終わり、平和になったこの世界で、私は今日も「幸せな板挟み」に遭いながら、賑やかな蝶屋敷の午後を過ごすのでした。
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