第2章 踏み出す一歩
なんと、後ろにいたのは霞柱様だった。
(なんか違和感があると思ったらいつの間にか無一郎君が私の真後ろに立っていた…やっぱり隊服のデザイン似てる…)
と、
「ちなみに、今のは気配を極限まで消して近づいたんだよ。普通の人間なら最後まで気づかないはずだから。」
『えっと、ごめんなさい。うまくは言えないんだけど、違和感?みたいな気配が背中に感じて…。正直、まだ刀は製作中なのでないのですが…それでも、私が戦闘できるかどうかはまだ分からないんです。うまく説明できなくてごめんなさい』
少し私は困ったような顔を見せた。
「もしかして、君って記憶がないの?」
と、無一郎は探るような質問を投げる。
『それも、分からなくって。何せ、いまこの瞬間でさえ夢だと思っている私がいるのだから…』
「…」
彼は無表情のまま。
『なるべく、早く役に立てるように自分探しも頑張るね、声かけてくれて嬉しかったよ、無一郎君!』
「!」
私はちょっと強調するように彼の名前を呼んだ。
「…名前、僕は教えてないけど。お館様から何かしらの紹介が事前にあったの?ね?」
無一郎君は相変わらずの無表情だけど、少し眉がぴくっと動いたのが分かった。
『えっと、私はお館様からは皆の事は柱であることしか教えてもらってないよ。今はただ、混乱を招くだろうから稽古の時でもお話聞いてくださいませんか?』
「…うん、わかった」
無一郎君は納得したようで、私に背を向けてどこかへ行ってしまった。
(やっぱり無一郎君はまだ子供…
でも、近くで見たから分かる。見事に鍛え上げた体つきだったなぁ…)
並大抵の努力ではそこまではできないのでは?と、彼について勿論知っていた私だが、それでも、目の前にしたら改めて凄さを思い知った。
は今度こそと、自室への道を歩き始めた。
*