第2章 踏み出す一歩
『柱の皆様に直接こうやって接する機会を頂き感謝致します。
そして、
柱の方々も私の為にお時間を頂き感謝いたします。
私はと申します。
私自身も昨日、この屋敷で気を失っていたところをお館様が保護して頂いた次第です。
それまでの事は、少し長くなりますので、後々皆様にもご理解いただけるように精一杯信頼を頂けるよう努めていく次第です。
どうぞ、よろしくお願い致します』
今できる精一杯を感じたのか、お館様は頷きながら微笑んでくれた。
『それと、今時点で何か質問がある方は後からでも今でも質問を個人的にでも大歓迎ですので、ご遠慮なく声掛けして頂けたら幸いです!』
一言付け加え、柱達へペコっとお辞儀をした。
「うんうん、積極的な紹介で良かったよ。
これからは柱達それぞれ一人ずつに適性を見極めて貰うついでにコミュニケーションの一環として稽古を付けてもらいたいと考えているんだが、柱達はどうかい?」
「「「御意」」」
柱達は意外にも私にこの場では敵視も罵声も浴びせることもなく、
しかも稽古まで承諾して頂いた。
・・・なんか、嵐が起こる前触れみたいな感覚がするのは私の気のせいであってほしいとおもうアヤであった。
「詳しくはまた後で連絡するから今日はここらで解散でいいよ。
みんなこれからも、改めて鬼殺隊をよろしく頼むよ」
そう仰るとお館様は自室の方向へゆっくりと歩を進めた。
私はお館様へ深々と頭を下げ、柱達も頭を下げてお館様が退室したタイミングで外に出ていく。
皆が居なくなったのを確認して、私はホッと一息つき隠の方が先ほど案内して下さった道を行こうとした。
(さて、私もそろそろ部屋に戻ってこれからの事を考えておこうかな?
)
そう思いながら歩きだした途端…
『・・・?』
何かの違和感が、私の背中にある事に気づいて謎に思い後を振り返った。
「あ、気づくんだね」
『わ、えっ…?』
*