第33章 炎柱との出会い
里での再会をきっかけに、私はその日の夜、煉獄邸での夕食会に招かれることになった。
煉獄邸の居間には、千寿郎くんが腕によりをかけて作った料理の香りが幸せそうに漂っていました。
「さあ、さん! 今日は兄上の大好きなサツマイモの炊き込みご飯と、兄上が『情熱的だ!』と絶賛した煮物です。たくさん食べてくださいね」
「ありがとう、千寿郎くん。本当に美味しそう……!」
「うむ!! 千寿郎、実に見事な出来栄えだ! わっしょい! わっしょい!」
杏寿郎さんは隣で豪快に箸を進めながら、一口食べるごとに「美味い!」を連発している。
しかし、その視線は料理よりも、隣に座る私に注がれる時間の方が長いようで。
「! 食べている姿も実に凛としていて美しい! 君が俺の隣で食事をしてくれている……これ以上の幸福がこの世にあるだろうか! いや、ない!」
食事の最中だというのに、彼は私の手をそっと握り、さらには私の口元についた米粒を指で優しく拭い、そのまま自分の口へ運ぶという大胆な行動に出た。
「あ、杏寿郎さん……千寿郎くんが見てますから……っ!」 「はっはっは! 千寿郎も、俺が君にこれほど心酔している姿を見るのは嬉しいはずだ! そうだろう、千寿郎!」
「えっ、あ、はい……兄上のこんなに幸せそうな顔は初めてです。……でも、さんが少し困っているようですよ、兄上」
千寿郎くんが苦笑しながら嗜めるが、杏寿郎さんのアプローチは加熱する一方。
「ならば、千寿郎! 俺は食後、彼女と庭の月を眺めてくる! 二人きりの濃密な時間を過ごし、俺の胸の内にあるさらなる熱量を伝えてくるぞ!」
そう言って、彼は私の腰を抱き寄せ、耳元で
「今夜は寝かさんぞ」
と、千寿郎くんには聞こえないくらいの低い、けれど情熱に溢れた声で囁くのであった。
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