第33章 炎柱との出会い
語り終えると、千寿郎くんの目には薄らと涙が浮かんでいた。
「……やっぱり兄上は、僕の自慢の兄上です。さんと出会えて、本当によかった」
二人で温かな笑顔を交わしていた、その時です。
「うむ! その通りだ、千寿郎! 俺もと出会えたことは、わが人生最大の誉れだと思っている!」
背後から響く、聞き間違えようのない豪快な声。
振り返れば、そこには任務帰りでしょうか、羽織を翻した杏寿郎さんが立っていた。
「あ、兄上! いつからそこに!?」
「今しがた通りかかったところだ! 弟と愛する女性が、俺の惚気話(?)をしてくれているのが聞こえてな! よもやよもや、感極まってしまったぞ!」
杏寿郎さんは千寿郎くんの頭を豪快に撫でると、そのまま私の前に歩み寄り、一歩も引かずに私の両手を包み込みました。
その手の熱さは、あの日森で私を助けてくれた時と同じ、揺るぎない確信に満ちていました。
「! 今の話を聞いて、俺の胸の炎はさらに激しく燃え上がった! 過去の出会いも大切だが、俺は君との『未来』をより輝かしいものにしたい!」
公衆の面前。彼は私の指先に、誓いを立てるような熱い口づけを落とした。
「千寿郎の前で改めて宣言しよう! 俺は一生をかけて君を愛し、守り抜く! 昨夜の情熱など、今この瞬間の想いに比べれば火種に過ぎん! 今夜もまた、俺のすべてを君に伝えに行かせてもらうぞ!」
「ちょ、杏寿郎さん! 千寿郎くんの前で何を……っ!」
赤面する私と、それを見て
「兄上、頑張ってくださいね!」
とクスクス笑う千寿郎くん。
太陽のような兄弟の温かさに包まれながら、私の心にはまた一つ、忘れられない幸せな記憶が刻まれるのでした。
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