第30章 秘薬の誤算、そして「獣」たちの目覚め※微裏閲覧注意※
その日の夕食後。
広間には、薬を混ぜた食事を摂った柱たちと炭治郎くんが揃っていた。
当初、彼らはどこかぼんやりとして、
「今日はなんだか、身体が軽いな……」
と、しのぶさんの目論見通り大人しくなる予感を見せていた。
ところが、数分後。
「……熱い。なんだ、この熱は……」
義勇さんが、苦しげに胸元を寛げた。
見れば、彼の瞳はいつもの青い静寂を失い、ドロリとした濃密な欲望に染まっている。
「、の……匂いが……いつもより、ずっと……たまらない……っ」
炭治郎くんが、鼻を押さえながら膝をつきました。
彼の「嗅覚」が薬によって異常に鋭敏化され、私の微かな匂いさえも、彼にとっては最強の媚薬へと変質してしまったようで。
「しのぶ、さん……これ、抑制剤じゃない……っ。……理性が、溶けて、壊れそうだ……っ!」
無一郎くんが、ガタガタと震える手で私の手首を掴む。
その力は、これまでの比ではないほどに強く、荒々しいもので。
しのぶさんは真っ青な顔で処方箋を読み返した。
「……そんな! 成分が、彼らの『全集中の呼吸』による驚異的な代謝と反応して、真逆の効果を……! 抑制どころか、本能を剥き出しにする『獣化剤』になってしまったようです!」
*