第29章 逃亡計画 ― 蜜璃ちゃんへの救い
四日目の朝、
鏡を見た私は愕然とした。
目の下には隈、肌には消えない痕、そして何より腰が砕けて歩くのもやっと……。
「……このままじゃ、本当に死んじゃう……っ!」
私は当番表を無視し、這うようにして蜜璃ちゃんの部屋へ駆け込んだ。
「蜜璃ちゃん! 助けて! 男の人たちが……男の人たちが激しすぎて、もう無理なの……!」
「ええっ!?ちゃん、そんなにボロボロになって……! 可哀想に、すぐ私の秘密の隠れ家に行きましょう!」
蜜璃ちゃんは私を抱きかかえ、屋敷の裏山にある女子限定の小さな庵へ連れて行ってくれた。
「ここなら誰も来ないわ。今日は二人でお菓子を食べて、ゆっくり休みましょうね」
ようやく訪れた平和。
蜜璃ちゃんの温かい抱擁に包まれ、私は久しぶりに深い眠りに落ちようとしていた。
……しかし、その静寂はわずか一時間で破られました。
「――、そこにいるのは分かっている」
襖の外から聞こえたのは、義勇さんの冷徹な声。
続いて、
「逃げるなんて水臭いですよ、」
という炭治郎くんの(少し怒ったような)声と、
「隠れても無駄だよ、匂いで全部分かるんだから」
という無一郎くんの無慈悲な宣告。
さらに
「俺を差し置いて女子会とは、派手な真似してくれんじゃねぇか!」
と宇髄さんや、実弥さんの怒鳴り声まで聞こえてきた。
「……えっ、みんな!? 早すぎるわよ!」
蜜璃ちゃんが驚いて襖を開けた瞬間、そこには全柱+炭治郎が、獲物を狙う猟師のような顔をして勢揃いしていた。
「、今日は俺の番ではないが……逃げるのは感心しないな。連れ戻す」
義勇さんが私をひょいっと担ぎ上げ、それを見た他の男たちが
「待て、それは俺の……!」
と再び奪い合いを始める。
「……いやああああ! お館様、助けてくださーい!」
私の逃亡劇は一瞬で幕を閉じ、再び愛の地獄(天国?)へと引き戻されるのでした。
*