第20章 ハッピーエンドの奇跡
数日後。
産屋敷邸の庭園は、平和を祝う花々で満たされていた。
けれど、生き残った私を待っていたのは、別の意味での「試練」だった。
「ちゃんっ! もう、死ぬかと思ったんだからぁ!」
蜜璃ちゃんが泣きながら私を抱きしめる……のはいつものことだが、なぜかその周りには、全柱が集結していた。
しかも、全員が獲物を狙うような、あるいは慈しむような、とんでもなく熱い視線を私に注いでいる。
「……お館様からも許可を得た。お前を誰に預けるか、まだ決まっていないからな」
義勇さんが私の隣に座り、堂々と私の腰を抱き寄せた。
「これからは四六時中、俺が傍について守る。……文句はあるまい?」
「あるに決まってるでしょ、冨岡さん。……、僕の部屋に新しい羽織、たくさん用意したんだ。全部、君に似合う色だよ。一生かかっても着きれないくらい」
無一郎くんが反対側から私の首筋に顔を埋め、甘えるように囁く。
「おいおい! 俺を忘れてもらっちゃ困るぜぇ。派手に俺の嫁にならないか? 三人いるが、お前なら四人目でも大歓迎だ!」
宇髄さんが豪快に笑いながら、私の頭をポンポンと叩く。
「あらあら、皆さんお盛んですね。でも、彼女の体調管理は蝶屋敷の領分ですよ。……私がつきっきりで『お世話』してあげます」
しのぶさんが黒い笑顔で割り込み、私の手を握りしめる。
「!!俺の心も燃えている! 君のその勇姿、一生忘れん! 共に旨いものを食べに行こう!」
「南無阿弥陀仏……君を一人にするわけにはいかない。私がこの手で守り続けよう」
煉獄さんと悲鳴嶼さんまで、真剣な眼差しで私を見つめてくる。
「……甘露寺が喜ぶなら、俺もお前を……その、守ってやらなくもない」
伊黒さんはそっぽを向きながらも、口元の布の下で耳を赤くしている。
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